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介護者が自分をケアするための15の方法

2020年8月 | 10分で読めます
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あなたの心と体をケアするシンプルないくつかの方法をご紹介しましょう。

重症筋無力症(MG)の患者さんを介護していると、意識が全て患者さんに向けられ、自分のための時間やエネルギーがなくなってしまうように感じることもあります。セルフケアはあなたの頑張りに見合うだけの価値があり、愛する人をきめ細かく介護するためにできる選択肢です。介護者は自分が消耗してしまったり、自分の幸せを犠牲にしたりすることなく、配偶者、パートナー、友人、または家族といった愛する人の介護をすることができます。バランスとセルフケアは重要です。ここでは、そのためのヒントをいくつかご紹介します。

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1. 自分の頑張りも本物だと認める

MGとの日々は、予測がつかないものです。今日体調が良くても次の日は悪かったり、1時間ごとに症状が変化することすらあります。一方、家庭でのあなたの役割はどうでしょうか。これも、めまぐるしく変化しているかもしれません。患者さんの介護の傍ら、フルタイムで仕事をしている人もいるでしょう。さらに、三度の食事を用意し、計画し、放課後の習い事に子供を送迎し、宿題を手伝い、寝かしつける毎日に加え、家計を管理し、保険請求の手続きもしなければなりません。こういった自分の日常をこなしつつ、MGの診断によって人生が一変してしまった人の介護をしているのです。

2. 十分に睡眠を取る

一般的に、毎晩7~9時間程度の睡眠が適切と言われています1。 夜ぐっすりと眠ることで、体力が回復し、穏やかな気持ちで活発に活動することができます2

3. 運動する

運動といっても、さまざまな形があります。散歩でもいいですし、お子さんやお孫さんと遊ぶのであっても、庭の草取りでもいいのです。自分のライフスタイルに合ったものであり、体を動かすことであれば何でもかまいません。お子さんがいるなら、一緒に誘ってあげてください。ストレスや不安感を取り除いたり、自己肯定感を高めたり、血圧を下げたり、運動には数多くの利点があります3

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4. 毎週少しずつでも、自分が楽しむための時間を創り出す

例えば、部屋の隅から、埃を被っているギターを取り出してきましょう。クロスワードパズルを完成させる、大好きなTVドラマを欠かさず見る、でもいいのです。自分だけの時間を少しずつでも確保することで、心が軽くなり、前向きな気持ちに戻れるはずです。

5. お子さんに協力を求める

お子さんがいて、家事を手伝えるだけの年齢であれば、食器洗い、洗濯、掃除機がけなどのお手伝いをお願いしてみてください。何の問題もなく手伝ってもらえるご家庭と、難しいご家庭とがあるかもしれません。後者の場合、最初の一歩に立ち返って考えてみましょう。あなたが、ひとりの人間として1日にこなせる以上の量の仕事を抱えていることを認めることから始めましょう。そして、そういった場合はあなたが抱えてる仕事を他の人に任せるしかないのです。実際には、子供達が予想以上に意欲的に手伝ってくれることに驚くかもしれません。

6. 様々なサービスを活用して負担を軽減する

食料品から学用品まで、今やオンラインで頼めないものはありません。数多くのウェブサイトが、食事の宅配やクリーニングサービスを提供しています。数々の便利なサービスにより、あなた自身とあなたの家族のために、貴重な時間を確保できます。

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7. 気が進まないと感じても、友人や家族に支援を求める

遠慮せず、支援を求めてください。MGとかかわる人々は、多くの場面で支援を必要とします。友人や家族が、お子さんを学校に連れて行ってくれるかもしれません。近所の方が庭仕事を代わってくれるかもしれません。テキストメッセージや電話で、またはスマホのアプリで支援を呼びかけることもできます。

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8. MGについて知識を深める

MGの闘病体験は人によって異なります。その多様性により、誰にとっても、医療従事者ですら、MG患者さんの体験を完全に理解することは困難です。さらに、MG患者さんがすべてを話したがらないこともあるため、その実状はより分かりにくいものになっています。

可能な範囲で、MGについて調べてみてください。知識を身につければそれだけ、日々を効率的に計画でき、仕事をやりくりし、適切な見通しを立てることができます。

9. 愛する人と心を割って話し合う

互いに、自分の率直な気持ちを打ち明け合うことです。これを、最大限の優しさを持って行うことが重要です。ミシガン州デトロイトの心理学者ダイアン・K.氏と、MG患者である妻はこのことを、「優しい告白」と表現しています。「私達は辛い気持ちを互いに打ち明け合うことを、互いに許し合っています。ただし、その間は相手への思いやりを持ち続けることが条件です」ダイアン・K.氏はこう述べます。「相手への優しさがあれば、家事のようなデリケートな話題も、口論になったり怒って黙り込んだりすることなく話し合うことができます」

パートナーの方は、相手が活動や家事を卑屈にならずに断れるように配慮してあげてください。疲労感が大きすぎてできないだけだ、という事実を受け入れてあげてください。本人には選択の余地がないのです。

相手への優しさがあれば、家事のようなデリケートな話題も、口論になったり怒って黙り込んだりすることなく話し合うことができます。

介護者 ダイアン・K.

10. 1日ずつリセットする

毎日が新しい1日です。毎朝、物事の良い面について考えたり、瞑想したりする時間を少しでも作ってみましょう。MG患者さんを介護する日々は予測がつきません。昨日は疲労困憊だったとしても、今日はエネルギーに溢れた1日になるかもしれないし、その逆もありえます。

11. ホワイトボードなどでコミュニケーションを深める

ペイシェント・エクスペリエンスの専門家、スーザン・ウールナー氏は、台所の目立つ場所にホワイトボードを置き、MGに関するコミュニケーションの場とすることを介護者に勧めています。「ここに、必要なものや、生じている問題点などをリストアップします。MG患者さんの介護によってできなくなってしまったことがあれば、それも書き出します。簡単な方法ですが、支援を依頼するためのコミュニケーションが円滑になります。また、MGによって患者と介護者の日々がどのように影響を受けているか、視覚的なインパクトのある記録として共有できます」

12. 患者さんの日々の状態をランキングによって確認する

10段階評価や温度計式の評価(低/高)を使用すると、ある日の患者さんがMGによってどのような影響を受けているか、一目で把握できます。MG患者さんは、呼吸や視覚など、症状の重度を自身では正確に表現できないことがあります。しかし、体調を聞かれたときに「今日は7点」答えることはできます。呼吸、視覚、筋力低下など、問題となる症状それぞれに対し、その度合いを表すランキングを作っておくと便利です。

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13. 家事の分担を再検討する

これまでできていたことすべてが万全にできるわけではなくても、患者さんは何かの役に立ちたいという気持ちを持ち続けています。一緒に家事を見直し、その分担を再検討してみましょう。宿題のチェック、買い物リストの作成、オンラインショッピングなど、肉体的な労力をあまり必要としない仕事なら、患者さんにもできるかもしれません。こうすることで、あなたに余裕ができ、患者さんが身体的に対処できない仕事を代わることができます。

14. 何かをいさぎよく諦める

自分自身の負担を減らし、ストレスを管理しましょう。まずは、やるべき仕事のリストを「しなければならない仕事」、「今すぐやらなくてもよい仕事」のリストに分けます。また、基準値を下げてみます。あなたが望むレベルに子供が風呂掃除をできなかったとしても、それがどれほど深刻な問題でしょうか?前よりはきれいになったではないですか。仕事が1つ片付いたわけです。

5年前にMGの診断を受け、ロサンゼルスで家庭を持つリア・ガイタン・ディアスさんは、かつては完璧主義者でした。「でもMGになってからは、完璧を目指してもむだにストレスがたまるだけなんです。何かの置き場所が間違っていたからといって、何も問題ないですよね。後で直せばいいんです。自分で自分を許さないと」

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15. マイナスの気持ちは相手ではなく病気にぶつける

あなたとあなたの愛する人にとって、MGを管理することは共通の目標です。どちらかが感情的に行き詰まってしまった場合、この感情を互いにぶつけ合うのではなく、発散することを見つけましょう。気持ちを切り替えることがすべての鍵です。そうすることで、MGを介して互いの絆はむしろ強くなります。

ダイアン・K.氏は、相手との関係が重要であると言います。「自分自身と相手を信頼できれば、苛立ちの背後にある不安定な感情に気付くことができます。非難することではありません」。ダイアン・K.氏はこのように説明します。「責めるべきはMG患者さんではなく、患者さんのことを愛している人でもなく、MGそのものです」

MG患者さんを介護する人には多くの苦労があります。一緒に暮らしている人は、最初は消耗してしまうかもしれません。自分自身をいたわることは重要であり、率直で真摯なコミュニケーションを心がけましょう。何かを行う場合、別の方法も考えてみてください。何より、健康を維持し、自分自身が楽しむための時間を捻出し、自分に優しくしてあげてください。あなた自身が好きなことや必要なことをすることが、あなたと人生をともにし、MGと向き合う患者さんにも良い影響をもたらすはずです。

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