インフルエンザの季節にそなえて準備を始めましょう。
インフルエンザ・シーズンは誰にとっても厄介な季節ですが、重症筋無力症(MG)患者さんにとっては特に大変な季節です。現在、新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐために当たり前になった習慣の多くは、インフルエンザを予防する場合にも有効です1,2。
これから紹介するヒントをよく読んで主治医と相談し、インフルエンザ・シーズン対策の内容を確認しておきましょう。
インフルエンザ・シーズンは誰にとっても厄介な季節ですが、重症筋無力症(MG)患者さんにとっては特に大変な季節です。現在、新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐために当たり前になった習慣の多くは、インフルエンザを予防する場合にも有効です1,2。
これから紹介するヒントをよく読んで主治医と相談し、インフルエンザ・シーズン対策の内容を確認しておきましょう。
MG患者さんにとって、インフルエンザ・シーズンは特に大変ですが、これに新型コロナウイルス感染症が加わった今、正しい情報に基づき備えることが特に重要になっています。
考慮しておくべきことは、まず、MGに対する薬を服用しているMG患者さんは免疫系が抑制されている可能性があるため、インフルエンザにかかるリスクがより高くなることです3。
さらに、MG患者さんの65〜85%は、複数の慢性疾患を抱えていると言われています4-6。慢性疾患のある患者さんがインフルエンザに感染すると、それらの疾患が深刻になる可能性があります3。また、MGの症状も悪化する可能性があります7。
リスクを認識しながらできることを実践し、感染から自分を守りましょう。
インフルエンザ・ワクチンのリスクと利点を、必ず主治医と相談してください。最近行われた研究で、MG患者さんに対するインフルエンザ・ワクチンの効果を調べたものがあります。
例えば、2019年に行われた小規模な研究では、軽症の患者さんにインフルエンザ・ワクチンを接種すると、健康な人で確認されるのと同様に抗インフルエンザ抗体が作られることが示されました。ただし、この研究では重症のMG患者さんに対するインフルエンザ・ワクチンの効果は調べられませんでした。
2018年に行われた大規模な研究では、インフルエンザの兆候を経験しているMG患者さんは、インフルエンザ・ワクチンを接種したMG患者さんと比較して、MGの症状が悪化する傾向にあることが示されました8。この研究では、インフルエンザ様症状を経験した患者さん25例のうち10例でMG症状の悪化が報告されました。一方、インフルエンザ・ワクチンを接種した患者さんでMGの症状の悪化が認められたのは133例のうち2例でした8。
ご自身の健康状態でインフルエンザ・ワクチンの接種が適切な選択かどうかについては、主治医と相談の上、判断してください。
とにかく予防が大切です。感染しないよう、自分自身を守りましょう。
ニラジャ・スレシュ(医学博士)
インフルエンザのような症状がある場合は、できるだけ早く主治医に知らせてください。必ず、服用中の薬はすべて主治医に伝えてください。こうした情報は、適切な治療を決定するために役立ちます。
インフルエンザにかかった場合は、MGの症状に注意し、症状が悪化した場合はいつでも主治医に知らせてください。
体調が優れない時は、できるだけ他の人との接触を控えたほうがいいでしょう。もし感染したと考えられる場合は、他の人にインフルエンザを感染させないように行動しましょう。咳やくしゃみをするときは鼻と口をティッシュで覆うようにするだけでも、他の人への感染防止に役立ちます1。
インフルエンザに感染しないための絶対に確実な方法というのはありませんが、インフルエンザ・シーズンに、自分と自分の大切な人を守るため、予防対策を講じることが重要です。
免疫機能に異常が生じて過剰に免疫細胞が反応することからMGを発症します。MGは遺伝しない(親から子へ伝わることはない)と言われており、伝染することもありません。年齢や人種にかかわらず発症しますが、20~30歳の女性と50~60歳の男性にやや多く見られます。
重症筋無力症が初めて症例として報告されたのは、なんと約350年前のこと。そこから現在に至るまで、私たちは研究を重ねて診断や治療方法を生み出しながら、MGとともに歴史を歩み続けてきています。
無理せずに食事作りをするためには、料理の作り置きなど、有効な手段を使うことが大切です。自分の体力、スケジュール、料理の腕前、食物の好みに合わせて計画を立てましょう。