重症筋無力症(MG)とともに生きるために:マイスコアブックでマイゴールの記録を残す

2023年3月 | 4分で読めます

MGの治療では「QOL(生活の質)やメンタルヘルスの良い状態を保つ」ことが大切です1)

専門家の報告では、治療目標 を達成していないMG患者さんは40%程度いると言われています。MGの症状が日常生活に影響を及ぼしたり、治療を負担に感じたりすることはないでしょうか?
また、それをどのように先生に伝えればよいかわからないときはありませんか?
目指しているマイゴールや日常生活での困りごとを「マイゴール・マイスコアブック」に記⼊して、医師とのコミュニケーションに活用する方法をご紹介します。

※経口ステロイド1日5mg以下で、軽微な筋力低下は存在するが、日常生活には支障がない状態(MM-5mg)

治療が多くの場合、生涯にわたることを意識し、
health-related quality of life(QOL)
やメンタルヘルスを良好に保つように治療戦略を立てる

日本神経学会監修:重症筋無力症/ランバートイートン症候群診療ガイドライン2022 2022, 南江堂

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あなたの目指すゴールは何か考える

あなたにとって「QOLの良い状態」「メンタルヘルスの良い状態」とはどのようなものを指すか、思い浮かべてみてください。

MG患者さんが目指すマイゴール(治療目標)はさまざまだと思います。たとえば、MGとともに暮らす患者さんのマイゴールとして、次のようなものが挙げられます。

•子供と一緒に遊んでいろいろな経験をしたい

•以前のようにフルタイムで働きたい

•愛犬と毎日散歩をしたい

•夫婦で一緒にドライブで北海道一周旅行をしたい

•おいしいレストランめぐりをしたい

•またカラオケを思い切り楽しみたい

•ホームパーティーをたくさんひらきたい 

 

生活の中でやってみたいこと、挑戦したいことはなんですか?

自分にとってのマイゴールを決めてみましょう。

マイゴールを決めたら書き留める

あなたのマイゴールが決まったら、忘れないように記録しておきましょう。
MGでは多くの場合、治療は長く続くことになります。自分で設定したマイゴールは、MGとともに生きていくためのあなたの指針となってくれるでしょう。

あるいは、MG症状をコントロールして生活の中で目指したいこと、特に改善したい症状などもあると思います。
そのようなものがあれば、これらもどんどん書き留めていきましょう。

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あなたのマイゴールや困りごとを医師に伝える

マイゴールを書き留めたら、自分ひとりの心にとどめるのではなく、医師に伝えるようにしましょう。医師にとって、患者さんのマイゴールや目標は、MGを治療していく上で大きな指針となります。
また、その他にもMGの症状があなたの日常に影響を及ぼしている、治療によってQOLが下がっている、治療が負担になっているなどと感じることがあれば、これらについても医師に相談することが大切です。

医師とスムーズなコミュニケーションをとるために

医師に伝えたいことがあったときに、記憶だけを頼りに口頭ですべてを伝えるのはなかなか難しいことです。ですが、マイゴールや日常の症状を書き記したものがあれば、スムーズに医師とコミュニケーションをとることが可能になるでしょう。

「マイゴール・マイスコアブック」を使う

マイゴールや日常症状などを医師と共有するためのコミュニケーションツールとして、「マイゴール・マイスコアブック」が役立ちます。

「マイゴール・マイスコアブック」にマイゴールや日常の症状を記入していき、医師とのコミュニケーションに活用して、あなたがMGと生きていく上でのQOLやメンタルヘルスの向上につなげていきましょう。

「マイゴール・マイスコアブック」

■ マイゴールパート

(診察時に先生と確認するページ)

  • わたしのプロフィール

  • わたしのMGヒストリー

  • マイゴール

  • ヘルプミーポイント

  • マイカレンダー

  • 各スコアの年間推移

■ マイスコアパート

(ご家庭での体調変化を記録するページ)

  • MG-ADLスケール

  • MG-QOL15r-Jスコア

  • 腕上げ・首上げ・足上げのタイム計測

  • 体調・マイゴール管理

  • 次回診察時に先生にお伝えしたいメモ

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「マイゴール・マイスコアブック」のPDFをダウンロードすることができます。

ファイル名
JP-VJP-22-00711(2022年12月作成)_マイゴールブック(見開きver).pdf.pdf
サイズ
3 MB
フォーマット
application/pdf