ステップ1. MGについて初めて説明する
MGは説明するのが難しい疾患です。
MGについて友人や愛する人に説明するとき、まず医学的な病態について説明していませんか。各種の症状について、それらの症状がいかに変動的であるかについて......。情報量が多すぎて、聞き手は混乱してしまいます。心中では無数の質問が飛び交っている状態です。少し時間をあげてください。相手は、あなたを大切に思ってくれている人です。MGとの長い人生を、一緒に過ごして欲しいと願う相手です。あなた自身、自分が抱える疾患について理解するのに一定の時間がかかったはずです。あなたの周囲の人も、理解には時間がかかります。
まずは基本的なことから、簡単に説明してみましょう。あまりにも詳しい説明や、臨床的な説明はまだ不要です。こんなふうに言うこともできます。「MGは筋力低下の一種です。筋肉は神経によってコントロールされています。神経が筋肉に信号を送ることができないと、筋肉は正しく動くことができません。MGの症状は人によって違うし、日によっても、場合によっては時間帯によっても違うんです」
何かにたとえてもいいでしょう。このような話はどうでしょう。
MG患者が筋肉を動かすことは、配線の壊れたドアベルを鳴らすようなものです。ドアベルは正常に鳴るときもありますが、うまく鳴らないときもあります。まったく鳴らないときもあります。MG患者の神経と筋肉は、これと同じような、予測不可能な信号伝達を介して指示をやり取りしています。MG患者が、一見問題なさそうに見えても、実際はそうではないのはこのためです。1分間問題を感じなくても、次の1分で症状が現れたりします。MG患者は、このように鳴るときと鳴らないときのある、外観は正常に見えるドアベルによく似ています。
これは1つのたとえです。みなさんなら、もっと上手なたとえ話を思いつくかもしれません。MGの体験に関しては、みなさんはエキスパートなのですから。