家族はもちろん、サポートグループやオンラインカウンセリングなどの選択肢があります。

自分がMGである場合も、愛する人がMGである場合でも、この疾患が身体に及ぼす影響は、あなたの時間やエネルギーを、あっという間に消耗してさせてしまいます。ですから、あなたの心の健康にも目を向けなければなりません。MGはあなたの心を疲れさせてしまうことがありますので、セルフケア、サポートグループ、カウンセリングなど様々なサポートについてご紹介します。

うつ病とMG

MGを抱える人の多くは、正しく診断されないことについて悩みを経験しているはずです。標準的な検査で異常が認められない場合、うつ病であると誤った診断を下され、精神科の受診を勧められることがあります。現実にMGなどの慢性疾患を抱えている人がうつ病と誤診されることは困ったことです。とはいうものの、ここには皮肉な現実があります。これまでにうつ病を発症したことのない人でも、MGに毎日向き合うこと自体、うつ病を発症させる十分なきっかけになりうることがあります。実際に、MG患者さんが抑うつ障害を発症する確率は、通常の人の約2倍であることが近年の研究により明らかになっています¹。

罪悪感への対処

どこにも逃げ場のない気持ち、罪悪感はMG患者さんにとって切り離せない感情です。家族や友人と一緒に計画を立てたり行動できないことに罪悪感を感じてしまいます。自身の病気が、配偶者や大切な人にとって負担となっているかもしれないと、多くの人が罪悪感を感じています。

しかし、愛する人達が抱く罪悪感は、さらにそれを上回ります。まず、自分が完璧なサポーターではないことについての罪悪感。さらに、家族にMG患者がいることにより自分が個人的に影響を受けていることについて、ついマイナスの感情を抱いてしまうことにも罪悪感を感じてしまうのです。

「強く、寡黙であること」のマイナス面

MGに対する自分の感情を表に出さない人もいます。自分の病気について、あたかも何も感じていないように振る舞うのです。きわめて自然な人間の本能ではありますが、長期的には良い策ではありません。気分のムラ、過敏性、孤独感、抑うつ感との戦いになりかねません。いくつかの研究の結果、感情の抑圧が、心疾患などの重大な健康問題に関連することが明らかになっています²。

どのような形にしても、押し殺した感情はいずれ表にあらわれます。このとき、自分にも愛する人にも、癒しとなる有効な形で感情を外に出せることが大切になります。

自分の感情を受け入れ、支援を受け入れる

人生を変えてしまう病気、MGによって生まれるすべての感情は間違っていない、という単純な事実を受け入れることが重要です。こうした感情はあって当然なのです。こうした気持ちを持つのはあなただけではないのです。

MGの身体症状と同様、このような感情も、自分ひとりで抱え込まないほうが良いでしょう。心の健康を向上させるためのさまざまな支援策があります。

MGコミュニティの活用

あなたと同じ経験を持つ人と気持ちを共有することは、感情に対処する最善の方法のひとつです。全国各地のサポートグループでは、MGとともに生きる患者さん同士が対面またはオンラインによって交流を深めています。こうしたグループでは、人とつながる機会を得られるだけでなく、有用な知識や情報も共有されています。まずは、支援団体のリストを見てみましょう。お住まいの場所の近くで活動している団体があるかもしれません。

• 一般社団法人 全国筋無力症友の会
• 特定非営利活動法人 筋無力症患者会

ソーシャルメディアの活用

主要なソーシャルメディアプラットフォーム上にも、いくつものMGサポートグループが存在します。Facebook、Instagram、Twitterなど、その他多数のプラットフォーム上で、素晴らしい助言、役に立つ情報、メッセージなどを読むことができます。こうした無料のプラットフォームはいつでも利用できます。まずは、お好きなプラットフォーム上で「重症筋無力症」といったフレーズを入力して検索してみましょう。

あなたの心の健康について真剣に考える

栄養や睡眠と同様、心の健康はとても大切です。あなた自身が患者であっても、あるいは患者の家族や支援者であっても、MGとともに生きる人々にとって心の健康はとりわけ重要です。気分が良いときも悪いときもあるでしょう。まずは自分の気持ちに真摯に向き合いましょう。心の健康に気を配ることは、MGとともに最良の人生を生きるために、あなたができる大切なことです。