うつ病の管理と治療
ハワード医師は、MG患者さんがうつ病と診断された際の、患者さんと医師の関係の重要性を強調して次のように話しています。
「何より大事なのが患者さんと医師の関係性です。生活の質に関する指標というものがあり、医師はこうした指標を使用しています。MG患者さんの診療で日常的に使用している医師もいて、ある程度の手がかりにはなります。ですが、もっと重要なのは、微妙な変化に気づける関係かどうかということです」
あなたの主治医は、ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)など、うつ病を測定するための評価手法を使うことがあるかもしれません。このHAM-D質問表は一般的に使われている評価法で、うつ症状の評価に役に立ちます。ただ、医師とオープンな関係が築けていれば、何か見落としている問題が浮き上がってくることがあります6。
また、ハワード医師は、MGが治療可能で、診断されてからも生活の質を向上することはできるものの、実際には時間がかかるということを患者さんに伝えています。悲しみや動揺、恐れ、怒りはすべて、自分ではコントロールできない診断結果に対する自然な反応ですが、治療計画を立て、趣味を追求する方法を見つけたりすることで、MGを抱えていても生活に喜びを取り戻すことができるでしょう。
ハワード医師は次のように話します。「いつも、患者さんが楽しみにしていることや趣味を尋ねるようにしています。身体的に可能であれば、そうした楽しみを継続してもらっています。とても大きな気分転換になるからです。人によっては、単に外に出て散歩するだけでもいいのです」
さらにキラム氏は、MG患者さんは、うつ症状が慢性化したり、助けを求められないほど悪化してしまったりする前に、助けを求めるべきだと強調します。それよりも、そうなる前に、心の健康に対する専門的なサポートを常に探し求めることが健康によいと考えています。また、うつ病の負担を和らげるひとつの方法として、患者団体や患者支援グループに参加することも提案しています。