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新年の抱負を立ち消えにしないために 短期の目標を立ててみましょう。

2022年1月 | 5分で読めます
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徐々に目標を高くしていくと、管理しやすく、記録するのも楽しいため、長期的に取り組みやすくなります。

健康的な食事をする、活動的に過ごす、テレビを見る時間を減らす、友人や家族との付き合いを大切にするなど新年の抱負を掲げることがありますが、あなたの新年の抱負を覚えていますか?

もし、すでに目標からそれてしまっていても、自分を責める必要はありません。1年間目標を守り続けることは誰にとっても大変なことですが、予測の難しいことが多い重症筋無力症(MG)の患者さんにとってはなおさらです1。新年の目標を守るのに苦労しているのであれば、自分のライフスタイルに合った現実的な短期の目標を立て、少し柔軟性も持たせておきましょう。

大きなことを成すには小さなことから

MGとともに生きる患者さんにとって、短期的な目標を設定することは、大きな目標に到達するための明確で達成可能なステップとなります。また、その道のりで小さな成功体験を得ることは、楽しい上に大きなモチベーションにもなります。

今年、MG患者のステファニーさんは、「サブゴール」と名付けた目標を活用し、ピアノを弾けるようになるなどの長期目標を達成しようとしています。これは彼女にとって新しい方法ですが、このようにしたのには理由があります。それは、毎年、ある期間内に大きな目標を達成できなかったことに対して、嫌悪感や罪悪感を抱くことに疲れてしまったからです。

ステファニーさんは次のように話してくれました。「目標の『達成日』は設定しません。一つ一つの目標を小さな積み木のように考えています。一つ一つの目標達成に向けて取り組みつつ、心身ともに休養する時間も取るようにしています」

ステファニーさんの今年の目標の1つは、MGとうまく付き合うことです。人を喜ばせるために無理することはやめようと考えています。そのために、サブゴールには「他の人に対して正直になる」、「頼まれた仕事を自分はやりたいかどうか自問する」を設定しています。

トミーさんも今年、MGとうまく付き合うために段階的にアプローチすることを選びました。

「毎月15から20日間は運動するとか、健康的な食事を摂るなど、悪い日よりも良い日を多くする方法を探しています」と話してくれました。トミーさんはしっかりと続けられるように、達成したことをOutlookカレンダーに記録しています。

現実的な目標を

アリシアさんも、希少な自己免疫疾患を抱えています。彼女は、達成可能で柔軟性のある現実的な目標を設定することが重要だと言います。

「目標は、毎日やっていることと180度違うものである必要はありません。目標によって、今やっていることよりも、自分にとって良いと思える方向に向かえれば良いのです」

アリシアさんは、もしその年の目標がもっと本を読むことだとしたら、一日一日、必要であれば一章ずつでも良いから読むという目標を設定し、嫌な気持ちにならないようにすると言います。アリシアさんは症状にうまく対処できるよう、その日の体調に合った好きなことを選ぶようにしています。ある日はゆったりとしたストレッチやマインドフルネスな呼吸法に取り組み、別の日には太極拳のクラスに参加するなど、いつも柔軟に対応しています。

目標の『達成日』は設定しません。
一つ一つの目標を小さな積み木のように考えています。

ステファニー(MG患者さん)
ユタ州オグデン

ニキさんもMGとともに生きる患者さんです。今年はより現実的な目標を立てました。ここ数年、「もっと活動的に過ごす」と目標を立てて無理をしていたため、疲れている日は辛かったと言います。

そこで今年は「できるだけ健康に過ごす」ことを目標にしました。この目標にそって、その日の状態に合わせて健康的な気持ちになれるよう、「運動する」から「もっと休養を取る」まで、幅を持たせた短期目標を設定しています。

どんな目標であれ、罪悪感を覚えないようにすることが大切だと、アリシアさんは言います。

「おおらかな気持ちで、目標が変わることや、目標からそれることを自分に認めてあげてください。例えば私は、去年は乳製品フリー、グルテンフリーのビーガンだったのですが、今年は違います。でも、あまり気にしません。牧草牛のお肉や、卵も好きでたまに食べます。それでOK、と自分に言っています。こうした食べ物を食べることを楽しんでいます」

MGにうまく対処するための目標を設定する

もっと管理しやすく、現実的な短期目標を立ててみませんか?MG患者さんがサブゴールを設定する際は、MGの管理に関連するものから始めるのが良いでしょう。

いくつかアイデアをご紹介します。

  • MGの仕組みについて理解を深めたいと思いますか?それなら、重症筋無力症とその発症の仕組みについて調べてみましょう。MGの症状は時間の経過とともに変化する可能性があるため、目標もそれに合わせて調整する必要がでてくるかもしれません1。
  • クリーゼの前兆にはどんな徴候があるかご存知ですか? もしご存じない場合は、MGのクリーゼとその対処法の作成方法について学びましょう。そして、自分に合ったクリーゼの対応策の作成について主治医と相談してみましょう。
  • 症状を評価するために脳神経内科医が使用しているツールについて、知識を深めたいですか?MG-ADLスケールやMG-QOL15rスケールなどのツールについて、医師に聞いてみるとよいでしょう。

何もしないでいるよりは、小さなことから始めて、そこから積み上げていくのがいいでしょう。

エマ・チャファロニ医師(MG専門の脳神経内科医)
ニューヨーク州ロチェスター

健康に投資する

今年はより健康的な食生活を送ろうと考えている方は、まずバランスのとれたMGフレンドリーなレシピを試してみてはどうでしょうか。

食事の作り置きは、やる気があるときに作ればいいので、料理するのが楽しくなるかもしれません。自分の体力、スケジュール、料理の腕前、食事の好みに合わせて食事の作り置きの計画を立ててみましょう。

短期的な目標は、心と体の両方の健康を維持するのに役立つでしょう。心と体は互いにつながり合っています。例えば、瞑想やヨガ、マインドフルネスな呼吸法など気になるアクティビティを試してみることで、心身の健康への一歩を踏み出すことができます。最初から、クラスに参加したり、フィットネス機器を購入したりするのではなく、まずはインターネットや関連したアプリを活用して、少しずつ始めてみましょう。

MGを専門とする脳神経内科医のエマ・チャファロニ医師は次のように話します。「1日数分だけでも、日常生活に健康維持やエクササイズに関するプログラムを取り入れてみましょう。何もしないでいるよりは、小さなことから始めて、そこから積み上げていくのがいいでしょう。同時に、必要なときには休みましょう。そのことに罪悪感を覚える必要はありません」

自分のために

どんな目標を選択するとしても、自分の心の声に耳を傾け自分自身を受け入れましょう。

「目標を持つことでモチベーションを維持し、生活の質を向上させることは素晴らしいことですが、他の人の基準を自分に当てはめ、自分の成功を測ることはできません」と話してくれたのは、MGによって生活のペースが落ちることがないよう努めているという、ケイト・マスターズさんです。「自分の立てた目標を指針に進みましょう。でも、お正月に立てた目標に調整や変更が必要になったとしても問題ないということを覚えておいてください」

サポートを受けたりモチベーションを維持したりするために、協力してもらえないか周りの人に声をかけてもいいでしょう。友人や、MGの患者会の人などに協力してもらいましょう。そして、毎月、お互いの進捗状況を話し合う時間を設けましょう。

あるいは、自分でコミュニティを作ることもできます。ステファニーさんは、彼女の話に耳を傾け、ニーズを理解してくれる医師と協力することで、これまでの目標の1つを達成しました。時間がかかったそうですが、結果にはとても満足していると話してくれました。

新年の抱負を1年間続けるのは難しい時もあるでしょう。ですが、現実的で達成可能な短期目標を設定することは、長期的な成功に向けての第一歩です。こうなりたいと思う変化を生み出すために、小さなことから始めてみましょう。

  1. Gilhus NE, et al. Nat Rev Dis Primers. 2019;5(30):1-19.

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