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MGとともに暮らす、その長い歩みの中で

2021年12月 | 5分で読めます

ご自身のMG症状の変化に備えておくことはとても大切です。

今となっては、重症筋無力症(MG)と診断されたことは遠い昔のことのように感じられる方もいるかもしれません。治療計画がうまくいき、落ち着いているかもしれません。あるいは、もっと良くなることがあるかもしれません。

MGの日々の症状に対処しながら、これからのことについて考えるのは大変かもしれません。ですが、自分の人生を自分でコントロールすることに自信を持ち続けることが大切です。起こりうる症状の変化に備えるには、常に最新情報に目を向けることが有効です。MGに関する新しい情報は驚くほどたくさんあります。こうした情報は、生活の質を向上するための道のりを決定する際に役立つでしょう。

MGについてGoogleアラートを設定し、ニュースレターを読んだり、ポッドキャストを聞いたり、セミナーを視聴したりしています。私はMGと長く付き合っていますが、つねに最新情報へのアンテナを張ることが力になっています。

レイチェル・ヒギンステキサス州オースティン
2008年にMGと診断

MG-ADLスコアを知っておく

医師があなたのMGの症状を評価するために使うツールの1つに、MG-ADL(重症筋無力症日常生活動作)スケールがあります。8つの簡単な質問で、MGの重症度と日常生活動作への影響を評価します。スコア合計は0〜24点で、スコアが小さいほど軽症です1

自分のMG-ADLスコアを知ることは、疾患がどの段階にあるかを把握するのに役立ちます。また、医師とMG-ADLスコアについて定期的に話し合うことは、症状について上手に伝え、長期的に一貫して現れている症状を特定し、今後の目標を設定するのにも役立ちます。

自分のMGのタイプを知っておく

MGには自己抗体の種類によっていくつかのタイプがあり、このMGのタイプによって治療計画は変わってきます2。MGのタイプはあなたの筋肉を攻撃している血液中の抗体の種類によって決まります2

自分のMGのタイプが分からない場合は、主治医に聞いてみてください。

MGの仕組みと科学者たちの最新の研究を知っておく

あなたのMGの症状が時とともに変化するのと同じように、科学者たちのMGに対する理解も、特にここ数年で大きく変わってきました。MGについては多くの研究が行われているため、MGの基本的な仕組みをよく知っておくことで、最新情報への理解が高まるでしょう。

すでにご存知かもしれませんが、MGは神経と筋肉の間の信号伝達が妨げられることで発症します。免疫系が誤って自身の筋肉を攻撃すると、筋肉は神経からの信号を適切に受け取ることができなくなります2,3

MGの仕組みについて詳しく知りたい方は、「重症筋無力症とその発症の仕組みは?」をご覧ください。

クリーゼに対する対策を知っておく

MG-ADLスコアを記録し、自分の抗体の種類を知り、MGの仕組みを理解することにより、主治医はそうした情報に基づいてあなたと一緒に治療計画を策定することができます。もしも再発が起きた場合、どうやってクリーゼを回避するかについて考えておくことも、MGと共に暮らすうえで準備しておくべきことの1つです。

再発(症状の急激な悪化)が起きると、飲み込みにくい、呼吸がしづらいなどの症状が起こります。再発が起こる理由は、いくつかあり、ストレスや感染、十分な量の治療薬を服用していないなどなどが考えられます4。再発をコントロールしなければクリーゼに至る可能性があり、入院が必要となります4。このため、自分の状態について主治医と定期的にコミュニケーションをとり、チェックしておくことが大切なのです。

MGの患者さんは全員、クリーゼになる事を防ぐために、薬の相互作用など避けるべきものを避けて万全の対策をとる必要があります。ですが、クリーゼに陥った時の対応策も考えておかなければなりません。そうした対応策には、家族、介護者、友人も加えてください。対応策について詳しくは、「重症筋無力症のクリーゼとは」をご覧ください。

今後に備えるために

今回ご紹介した事の中には、初めて知った事もあるかもしれません。でも、心配はいりません。MG患者さんにとって知識は力となります。あなたと先生が治療計画を立てる際に役立つでしょう。

今後の備えへのヒントとなる情報のまとめ

  • MG-ADLスコアをどのように利用するか主治医と話し合いましょう。
  • ご自身のMGの抗体の種類を知っておきましょう。
  • MGの仕組みをよく理解し、最新のMGに関する研究について調べてみましょう。
  • クリーゼの際の対応策を作成し、家族、介護者、友人にも対応策について知らせておきましょう。

  1. Wolfe GI, et al. Neurology. 1999;52(7).
  2. Gilhus NE. N Engl J Med. 2016;375(26):2570-2581.
  3. Ruff RL, et al. J Neuroimmunol. 2008;201-202:13-20.
  4. Gummi RR, et al. Muscle Nerve. 2019;60(6):693-699.

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